CentOS 7.0にibus-mozcをインストールする

こんにちは。今回はCentOSにibus-Mozcを導入します。CentOSのデフォルトの日本語入力はibus-kkc(kanakanji)ですが、mozcを使いたい場合の対策を紹介します。デスクトップマシンとして使う方は使い慣れたmozcが良いという方も多いんじゃないでしょうか?お役に立てば幸いです。
【関連記事】
CentOS 7にFcitxを導入してanthyやmozcを使う


公式リポジトリはibus-mozcが入ってない

CentOSの公式リポジトリにはibus-anthyもibus-mozcも入っていません。ましてやibusの代替となり得るuimやFcitxもありません。日本語入力はibus-kkc一択の状況です。CentOSは公式リポジトリにパッケージが少ないことで有名なディストロですが、日本語入力に至っては選択肢が少なすぎるというのが正直な感想です。理由の一つはCentOSの用途としてサーバー用途が多いということでしょう。CUIベースで英語のみで事足りるユーザーにとっては重要なことではないですからね。
(画像はibus-kkcの入力画面)
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また、ibusとlibkkcの開発がRedHat主導で行われたことも無関係では無いでしょう。RedHat系ディストロはやはり企業色が強いですね。筆者はCentOSやRed Hatを批判しているわけではありません。ただ、常に選択肢はユーザー側にあって欲しいと個人的には思うのです。

Fedora19のrpmパッケージを活用する

公式リポジトリにibus-mozcが無い以上、自分でビルドするかrpmパッケージを流用する手段が考えられます。自分で依存性と格闘しながらビルドするのはちょっと面倒なので、今回は他のディストロのrpmパッケージを活用します。CentOS6.x向けにはVine Linuxのパッケージを活用した方法(*1)が紹介されていますが、今回はFedora19を選びました。理由はRHEL7.0がFedora19と20の成果を取り入れているからです。

Fedra20のパッケージではダメだった

結論から言うとFedora20のパッケージではインストールできませんでした。CentOS7.0のibusのバージョンが低すぎて依存性を解決できませんでした。ibusごとFedoraのパッケージで置換する手もありますが、それなら最初からFedoraを使えば良い話になってしまいます。

インストールしよう

前置きが長くなりましたがibus-mozcをインストールしていきましょう。

rpmパッケージのダウンロード

http://rpm.pbone.net/で検索して以下のパッケージをダウンロードしましょう。Fedora19 for x86_64のパッケージであることに注意してください。OpenSUSE等のパッケージが混ざると依存性に問題が生じます。
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※2015/08/07追記
http://rpmfind.net/ではFedora19 for x86_64のパッケージが無くなったとコメントいただきました。2015年8月7日現在http://rpm.pbone.net/では存在を確認しております。こちらからパッケージを入手いただければと思います。
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  • ibus-mozc-1.10.1390.102-1.fc19.x86_64.rpm
  • mozc-1.10.1390.102-1.fc19.x86_64.rpm
  • protobuf-2.5.0-4.fc19.x86_64.rpm
  • zinnia-0.06-16.fc19.x86_64.rpm
  • zinnia-tomoe-0.06-16.fc19.x86_64.rpm

rpmパッケージのインストール

依存性の問題からインストール順番は重要ですので注意してください。
**********
※2015/08/07追記
インストールの順番はひとつ一つインストールする場合です。全てのパッケージを一つのコマンドでまとめてインストールする場合は順序は気にしないでも大丈夫です。誤解を生む書き方をしたことをお詫びします。
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注1)rpmコマンドでも問題ありません。
注2)sudoコマンドについてはDebianやFedoraでsudoコマンドを使うをご覧ください。

#1 protobufのインストール

sudo yum localinstall protobuf-2.5.0-4.fc19.x86_64.rpm

#2 zinniaのインストール

sudo yum localinstall zinnia-0.06-16.fc19.x86_64.rpm

#3 zinnia-tomoeのインストール

sudo yum localinstall zinnia-tomoe-0.06-16.fc19.x86_64.rpm

#4 mozcのインストール

sudo yum localinstall mozc-1.10.1390.102-1.fc19.x86_64.rpm

#5 ibus-mozcのインストール

sudo yum localinstall ibus-mozc-1.10.1390.102-1.fc19.x86_64.rpm

ibus-mozcの登録

インストールが終了したらログアウトして再ログインしましょう。次に設定画面を開いて「言語と地域」を選択します。
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入力ソースで「+」を押して入力ソースを追加します。日本語を選ぶとmozcが追加されているはずです。これを選択し追加します。デフォルトで追加されているlibkkc(kana kanji)は削除しても残しても構いません。
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追加が終わったら「スーパーキー(Windows)」+「スペースキー」で入力ソースを切り替えましょう。
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メニューバーにもmozcが追加されているはずです。
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mozcを選択した後は半角/全角キーで漢字と英数を切り替えることができます。
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最後に

正直言うと、筆者はibus-kkc(kana kanji)に別段の不満はありません。しかし、やはりユーザーには選べる自由が必要だと考えて今回の記事を書きました。誤解のないように申し上げておきますが、CentOSを批判する気は毛頭ありません。不満があるならば使わないか、フォークしたディストロを自分で作れば良い話ですからね。

最後になりましたが、異なるディストロのパッケージをインストールするということはリスクも伴うことです。ご自身の判断で行ってくださいね。

参考サイト

(*1)http://blog.livedoor.jp/rootan2007/archives/51730263.html

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10件のコメント

  • クロさん
    こんにちはっ Habitat です

    じつは、CentOS 6.5 と同じように、Ubuntu での gksu や nautilus-gksu に該当するツールを導入しようと
    https://dl.fedoraproject.org/pub/epel/beta/7/x86_64/epel-release-7-0.2.noarch.rpm

    を当て込んだんですが、右クリックメニューに出ないんですよ・・
    ポップアップメニューの配置場所がかわっちゃったのかなぁ

  • Habitatさん

    gksu や nautilus-gksu に該当するツールとはbeesuですかね?
    試しにCentOS7.0にepelリポジトリを入れてbeesuとnautilus-beesu-managerをインストールしてみました。

    当方環境ではGUI上で右クリックでポップアップメニューが出現し、スクリプト→beesuからroot権限で実行可能でした。

    なので、もしbeesuのことでしたら特に仕様変更等はないと思います。

  • この記事のおかげで、無事日本語入力が出来る様になりました。
    クリティカルな問題だったので助かりました、ありがとうございます。

    それにしても上記パッケージのバージョンが同じでも i686 だと依存が解消出来ないとは、、

    これだけOSが進化したというのに、何年経っても日本語入力だけは鬼門ですねー ><

    • TEVAさん
      こんにちは。

      記事がお役に立ったとのお言葉励みになります。
      親切なディストロが増えてきてますが、まだ日本語環境の構築はLinux導入時の一つの壁ですよね。

  • こんにちわ。

    IBUS-KKCで特に問題はないとのことですが、私が昨年テストした限りでは、入力時に日本語の全角文字と英語の半角文字を連続で入れて、全体を確定させると半角文字は無視されて入力ができません。

    回避するには全角文字を一度確定して、半角モードに切り替えて入力するしかないようですので、頻繁に全角・半角の変更を行う必要があるようです。Ubuntu/Debianのibusやfcitxではこのような経験はありません。

    これはデスクトップとして利用する場合にはかなり面倒なので、結局CentOS7の利用自体をあきらめてしまいました。

    やっぱりサーバ用途が前提なのでしょうか?

    • 大虎猫さん
      こんにちは

      おっしゃっているトラブルを当方が正しく把握できているか怪しいのですが、
      状況を再現してみようと当方環境で試してみました。

      今回試しにCentOS7/ibus-kkcで「あおいumi」と未変換の状態で入力し
      スペースキーで変換したところ「アオイumi」となり、次にShiftを押しながら方向キーで
      選択範囲を変更した所「青いumi」へと変換されました。
      確定後も半角文字が無視されるということは特にありませんでした。
      Xubuntu/Fcitx-mozcで同様のことを試しましたが、ほぼ同等の結果でした。
      (Fcitx-mozcの場合は変換は変換キー)

      因みに、私は頻繁に全角半角キーでモードを切り替えながら打ち込むタイプなので、
      おっしゃるような全角日本語と半角英数を共存させて一度に変換するという方法は今回初めて試しました。

      もし、ibus-kkcに問題を感じる場合はCentOSにFcitx-mozcを導入されてはいかがでしょうか?
      好みもあるとは思いますが、Ubuntu同様の日本語入力環境を再現できると思います。

      最後に個人的な感想ですが、CentOSはやはりサーバー用途が前提であって、あまり
      デスクトップ用に開発されていると言えないのでは・・・と考えています。

  • 2015年8月7日時点での

    http://rpmfind.net/

    には

    「Fedora19 for x86_64」のパッケージは存在しません。。。

    • hhkbさん

      コメントいただき、ありがとうございます。

      当方、rpmfind.netからパッケージがなくなっていたこと知らずにいたので大変助かりました。

      記事を修正させていただきます。

  • クロさん,

    丁寧な説明ありがとうございます.

    おかげさまで,mozcを快適に利用することができています.

    そんな中,最近「Sublime Text」というエディタをLinuxで利用しようといざ使ってみると,どうも日本語入力に問題があるようでした.

    そこで,色々と検索してみると「emacs-mozc」が必要ということが判明したので,本記事と同様にインストールしたmozcと同じバージョンのrpmをダウンロードしてlocalinstallしたのですが,うまく入りません.

    ご助言いただけないでしょうか.

    よろしくお願いします.

    • yuntasさん

      こんにちは。
      コメントありがとうございます。

      emacs-mozcの導入ですが、
      本記事で紹介している
      ibus-mozc-1.10.1390.102-1.fc19.x86_64.rpm
      mozc-1.10.1390.102-1.fc19.x86_64.rpm
      に加えて以下のパッケージを同時にインストールして下さい。
      emacs-mozc-1.10.1390.102-1.fc19.noarch.rpm
      emacs-common-mozc-1.10.1390.102-1.fc19.x86_64.rpm

      コマンドとしては以下のようになります。
      (ibus-mozc,mozcが導入済みの前提)

      $ sudo yum localinstall emacs-mozc-1.10.1390.102-1.fc19.noarch.rpm emacs-common-mozc-1.10.1390.102-1.fc19.x86_64.rpm

      もし、mozcのバージョンが1.5等の1.10より高いものを
      使用している場合は一度削除して上記のバージョンに
      ダウングレードして下さい。
      (CentOS7公式リポジトリのemacsとの兼ね合いです)
      また、パッケージのバージョンはmozc関連は全て合わせて下さい。

      当方はSublime Text 3にSublimeMozcInputを導入して
      Mozcによる日本語入力が可能となることを確認しました。

      導入法をまとめたら記事にしたいと思います。
      今後とも宜しくお願いいたします。

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