Linuxで使える音楽プレイヤーを集めてみた
2021-11-01
こんにちは。今回のテーマは「Linuxで使える音楽プレイヤーを集めてみた」です。Linuxで使える音楽再生ソフトはとてもたくさんあります。今回は筆者が実際に使って使いやすかったと思う音楽ソフトをピックアップしていこうと思います。
尚、本記事を読んだ方が気軽に使えるように有料ライセンスが必要なJRiver Media Centerは除外しました。過去に有名であったAmarokやBansheeについては2021年10月時点で公式ページの情報が古くUbuntuやArch Linuxの公式リポジトリから外されている状況を考慮し除外しました。また、ローカルファイルを扱えないネットのストリーミング再生だけに特化したアプリケーションも今回は除外しました。
[adsense02]
Audicaous
リンク:公式HP
Audicaousはシンプルなミュージックプレーヤーです。Rethmboxなどとは異なりMusicディレクトリ内の音楽ファイルを検索しプレイリストに追加してくれる機能などはありません。しかしm3u形式のプレイリストファイルに対応しているため、アルバムごとやお気に入りの音楽ファイルごとにプレイリストを作成しておくと再生がスムーズに出来ます。 スキンも充実していて作業中でもデスクトップ上で邪魔にならず活躍してくれます。
Elisa
リンク:公式HP
ElisaはKDE用のミュージックプレーヤーです。他のKDEアプリケーションと同様にGUIはQtで作成されています。とてもシンプルで使い勝手の良いミュージックプレーヤーですが、設定された音楽フォルダの音楽ファイルを自動追加する機能などの現代的な機能は有しており、Webラジオにも対応しています。デスクトップ環境にKDEを使用されている方にはとてもオススメのミュージックプレーヤーです。
Clementine
リンク:公式HP
ClementineはAmarokというKDE用のオーディオプレーヤーをフォークして開発されました。Amarokは現在でも開発が続いているようですが、Clementineが後継となっているような印象も受けます。Amarok同様にKDEとの相性がとても良いのでKDEユーザーはClementineを入れてみて損はないと思います。
Pragha
リンク:公式HP
C言語で書かれた軽量はオーディオプレーヤーです。指定した音楽ディレクトリのファイルをライブラリに追加して管理する方式ですが、フィルタリングなどはなく、単純にプレイリストに追加して再生する方式のシンプルな設計です。筆者は正直このぐらいシンプルな音楽プレーヤーで事足りるので重宝しています。m3u形式のプレイリストの読み込み/保存にも対応しているのでおき入りのプレイリストを複数作っておくと快適な音楽ライフを送れるでしょう。
Rhythmbox
リンク:Wikipedia(gnome.orgのページはリンク切れていました)
一時期はGTK系のオーディオプレーヤーとしてBansheeと人気を二分する人気があったオーディオプレーヤーです。GNOME MusicやLollypopが登場する以前はGNOMEのオーディオプレーヤーといえばRhythmboxというぐらい標準的に使われていた印象があります。GNOME MusicやLollypopの登場によりやや影が薄くなった感は否めませんが、まだまだ現役です。
Lollypop
リンク:公式HP
Lollypopは現代的な音楽ファイルの管理と快適な音楽再生環境を提供してくれるオーディオプレーヤーです。GNOME用の現代的なオーディオプレーヤーとして開発されました。単なる再生にとどまらず、オンラインからカバーアートを自動でダウンロードしてくるなど音楽ファイルの管理アプリとしても優秀です。ライブラリ方式の管理ですが、プレイリストの作成もでき、非常に使い勝手が良いアプリケーションです。
GNOME Music
リンク:公式HP
アプリの正式名はMusicですが、あまりに一般的な名前のため本稿ではGNOME Musicと呼称します(gitlabのプロジェクト名もgnome-musicです)。GNOME用の新たなオーディオプレーヤーとして開発されたGNOME Music。LollypopやRhythmboxとは趣が異なりシンプルなUIで音楽の再生に専念している印象です。音楽再生ソフトとしての機能的には十分であり、必要最低限の機能が欲しいという方にはピッタリだと思います。デスクトップ環境がGNOMEという方で特にこだわりがなければGNOME Musicを入れておけば間違いないと思います。細かい設定が敢えて省いてある点などにはGNOMEの哲学を感じます。
DeadBeef
リンク:公式HP
DaedBeefはLinuxだけでなくBSD,Mac等のUnixライクなOSで動作するオーディオプレーヤです。DeadBeefという名前はHexspeakの0xDAEDBEEFが由来だそうです。DeaDbeefはとても多機能なであり、音楽ファイルの再生だけでなくコンバートも出来てしまいます。また対応している音楽ファイルの種類も豊富です。Linux向けのビルド版が公式HPで配布されている他、Debian/Ubuntu向けのDEBファイルやArchLinux向けにビルドされたバイナリも配布されています。Ubuntu(またはその派生ディストロ)ユーザーはPPAを追加することで公式リポジトリのパッケージと同様にAPTを用いてインストールすることが出来ます。
Tauon Music Box
リンク:公式HP
Tauon Music Boxはシンプルでお洒落でポップなUIを備えたオーディオプレーヤーです。他のアプリケーションと同じく、カバーアートの表示機能も備えています。基本的にはプレイリストベースで楽曲を管理するタイプのアプリケーションですので、ライブラリ管理のアプリケーションに慣れている方には少々操作に違和感があるかも知れません。Audicaousにちょっと飽きたという方にはちょうど良いプレーヤーだと思います。
Gmusicbrowser
リンク:公式HP
ライブラリ管理方式のオーディオプレーヤーです。オンラインからアルバムカバーアートを取得したり歌詞を取得することも出来ます。多くのライブラリ管理方式のアプリケーションと同様にアーティスト、アルバム、ジャンルなどでフィルタリングして楽曲を表示することが出来ます。手軽に使えるジュークボックスとして入れていても損はないアプリケーションだと思います。flathubから入手可能です。
Melody
リンク:公式HP
MelodyはシンプルなUIでジュークボックスとしての機能を十分に果たせる高機能なオーディオプレーヤーです。ライブラリ管理方式のアプリケーションですが、楽曲をフィルタリングする項目はあまり多くありません。基本的にはアルバムとプレイリストで再生する楽曲を管理することになると思います。アルバムアートの表示にも対応しています。ゴチャゴチャしたUIが苦手な方には是非使っていただきたいアプリケーションです。
Nuclear music player
リンク:公式HP electronベースの音楽プレーヤーです。flatpak版を使ってみましたが、あまり使い勝手が良くないというのが正直な感想です。
Rhyme
リンク:github
Rhymeはシンプルで現代的なUIを有した音楽プレーヤーです。設定されたディレクトリから音楽ファイルを検索して追加するライブラリ方式を採用しています。ただし、音楽ファイルの表示区分は「アルバム」のみであり他のアプリケーションにあるようなジャンル分けやアーティスト毎の表示などはありません(2021年Flatpak版で確認)。音楽ファイルをアルバムごとに管理する人にとってはシンプルで使いやすいオーディオプレーヤーだと思います。まだまだ発展途上な感じです。今後に期待したいです。
JuK
リンク:公式HP
JukはKDE用のオーディオプレーヤーです。指定したディレクトリに存在する音楽ファイルを自動で読み込みコレクション化し、ジュークボックスとして活用できます。GNOMEとGNOME Musicのような関係と捉えれば良いと思います。基本的にはライブラリ管理方式を採用しながらも、フィルタリング機能はなく、再生したい楽曲ごとにプレイリストを作成するタイプです。ディレクトリごとプレイリスト化も出来るのでさほど不便さは感じません。しかしながら優れたオーディオプレーヤーアプリケーションが登場している昨今ではUI含めやや前時代的な印象も拭えません。
LXMusic
リンク:LXDEのWiki
Lxmusicはデスクトップ環境であるLXDEの標準オーディオプレーヤーです。Audicaousとにたようなプレイリストで楽曲を管理するタイプのアプリケーションです。豪華な昨日よりもシンプルさを好むLXDEらしい選択だなと思います。プレイリストはディレクトリごとに作成もできますし、ファイル単体で追加することもできます。アルバムごとにディレクトリでファイルを管理している方にも使いやすいプレーヤーです。
MOC
リンク:公式HP
MOCはターミナル上で動作するTUI(Text User Interface)の軽量な音楽プレーヤーです。多くのオーディオプレーヤーで採用されているスペースキーでのポーズ機能など、ショートカットを覚えなくても直感的に操作できます。音楽ファイルはプレイリストによって管理する方式で、ディレクトリごとプレイリストに追加したりプレイリストの編集・保存機能もあります。Audicaousのように音楽ファイルをディレクトリやプレイリストで管理するタイプの人には使い勝手の良いオーディをプレイヤーだと思います。ターミナルでの作業が多い方は別タブで動作させておくと便利かも知れません。
CMUS
リンク:公式HP
CMUSはncursesベースのターミナル上で動作するTUIの音楽プレーヤです。既に紹介したMOCと似ています。名称はC* music playerの略称です。シンプルなMOCに比べるとCMUSには多くのモードがありやや複雑です。その分、GUIのオーディオプレーヤーに負けない便利な機能を備えています。音楽ファイルの管理に関してはライブラリ方式を採用しており、Musicディレクトリをまるごとaddしておくとアルバムごとに曲を整理して再生することも出来ます。また、ブラウザモードやプレイリストモードもあり、TUIアプリケーションとはいえ、複雑な音楽再生を楽しむことが出来ます。
最後に
読者の皆さんにより多くの選択肢を提供したいという思いからできるだけ沢山のアプリケーションを紹介しようと努めました。その分、コメントが薄めになってしまいましたがスクリーンショットから雰囲気が伝わればと思います。音楽プレーヤーはPCを使っている中で日常的に使う代表的なアプリケーションです。是非お気に入りの1つを見つけて下さい。この記事がそのお役に立てれば幸いです。
[adsense] 【関連記事】 Linuxで使えるPDF閲覧ソフトを集めてみた Linuxで使える画像ビューアを集めてみた