Arch LinuxのCUPSを2.0.x系にバージョンアップする

こんにちは。今回のテーマは『Arch LinuxのCUPSを2.0.x系にバージョンアップする』です。Arch LinuxがCUPS 2.0.x系を導入したのは10月ですので記事にするのが少々遅くなりましたが、Arch Linuxユーザーの間では話題となっていた記事ですので今回取り上げることにしました。


CUPS 2.0.0からサービス名が変更

2014年11月27日現在CUPSの最新バージョンは2.0.1です。最新を求めるArch Linuxらしく早速2.0.1を取り込んでいます。しかし1.7.x系から2.0.x系にアップデートするには注意も必要です。initシステムであるsystemdのサービス名が以下のように変わりました。

1.7.x以前
cups.service

2.0.x以降
org.cups.cupsd.service

CUPSをアップデートしよう

サービス名の変更に伴い、アップデート時にもややマニュアル操作が必要です。(以下に記載する手順は正常な動作を保証するものではありません)作業は自己の責任により行って下さい。またArch wikiも参考になさって下さい。

現行CUPSサーバーの停止

以下コマンドでCUPSサービスの停止と起動項目からの削除を行いましょう。

$ sudo systemctl stop cups.service
$ sudo systemctl disable cups.service

CUPのアップデート

システム全体をアップデートする場合

$ sudo pacman -Syu

CUPSのみをアップデートする場合

$ sudo pacman -Syu cups

CUPSの起動

ではCUPSをsystemdで有効にしましょう。

$ sudo systemctl enable org.cups.cupsd.service

この設定を行った後システムを再起動しましょう。
http://localhost:631にアクセスして下さい。
以下のような画面が出ればOKです。もしバージョンが変わってなかった場合は次の項をご覧ください。
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WebブラウザでCUPSのバージョンが変わらない場合

これは筆者の環境で起きた事象なのですが、上記の通りアップデートしてシステムを再起動してもhttp://localhost:631にアクセスするとCUPSのバージョンが以前の1.7.5なのです。/etc/systemd/systemに壊れたシンボリックが残ったのかと調べましたが、問題ありませんでした。

少々悩みましたが以下のコマンドでcups-browsed.serviceを再起動すると無事に表示が新しくなりました。

$ sudo systemctl restart cups-browsed.service

プリンターの追加等の設定

基本的には以前のバージョンの設定を引き継ぎます。筆者の環境では特別プリンターの追加等の作業はなく、以前登録したプリンターをそのまま使用することが出来ました。
(画像はCUPS1.7.5から2.0.1にアップデートした際に引き継がれたプリンタ画面)
02
しかし、アップデートによってプリンターが見つからない問題が生じた場合は以下記事が参考になるかも知れません。
【参考記事】【Linux】CUPSのバージョンアップ後にBrother製プリンタが印刷できなくなった時の対処方法

また、場合によってはプリンタドライバの再インストールが必要かも知れません。当ブログではBrother製プリンタについては以下の記事で取り扱っています。
【参考記事】Arch LinuxでBrother製プリンターを使う

最後に

丁度この記事を書いているタイミングで【Linux】CUPSのバージョンアップ後にBrother製プリンタが印刷できなくなった時の対処方法にコメントを頂きました。コメントいただいたトラブルには直接お役に立てず申し訳なかったのですが、筆者としては以前の記事で放置していた部分にも気が付かされ大変助かりました。この場を借りてお礼申し上げます。

サービス名のようなシステムに関わる部分はあまり変更して欲しくないというのが本音ですが、これもローリング・リリースのシステムを使う醍醐味かも知れませんね。

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