Ubuntu14.04LTSリリース! 何が新しくなったのか?

開発コードはTrusty Tahr

こんにちは。
4/17にUbuntu14.04がリリースされました。
開発コード「Trusty Tahr」は信頼できるタール(ウシ科のヤギに似た哺乳類)という意味です。
開発陣の自信が伝わってきますね。
今回は14.04での変更点を見ていこうと思います。

※Ubuntu14.10のリリースに関する記事はコチラ


導入は日本語Remixを待って

新しもの好きの方は早速インストールしているようですが、OSのアップデートは
不具合を起こす場合もありますので、周囲の様子を見て情報収集してからでも遅くはないと思います。
(サポート切れのバージョンを使っている方は急いでくださいね)

また、現在は未だUbuntu Japanese Teamの日本語Remix DVDがリリースされていません。
新規にインストールをされる方は日本語Remix DVDのリリースを待っても良いと思います。

LTS版とは?

LTS版とはLong Term Support版の略で通常のサポート期間が9ヶ月なのに対してLTS版では5年です。
それだけに安定した構成となっていることが多くLTS版のみをインストールし続けるユーザーも多いです。

公式フレーバーのサポート期間

Ubuntu14.04LTSのサポート期間は5年間ですが、各公式フレーバーのサポート期間は異なります。

Kubuntu: 5年間
Xubuntu: 3年間
Lubuntu: 3年間
Ubuntu Gnome: 3年間
Ubuntu Studio: 3年間

何が新しくなったの?

詳細はリリースノートをご覧ください。
個人的な感想を言えば、各パッケージとUnityとの結びつきを強固にして
Canonicalの独自路線を強めた印象ですね。

Linuxカーネルにはバージョン3.13を採用

これにより以下の点が向上するそうです。

    Open vSwitch
    2.0.1のサポートや温度・電源管理機構の強化
    XenやKVMでのARMサポート
    ファイルシステムでのパフォーマンス向上
    ハードウェアサポートの向上

 

Unity

まず、目立った変化としてはLocally Integrated MenusというUIの導入ですね。
これによってアプリ固有のメニューをグローバルメニューとアプリのウィンドウの
どちらに出すか選択できるようになりました。
(選択肢がないという不評への対策でしょうか)


その他としては

    Ubuntu Oneの6/30のサービス終了に合わせ、関連アプリが削除
    不評だったiBusのパネルは表示されるように改善
    UnityのテーマにGtk3CSSが採用

といったところが挙げられると思います。

設定全般

目立ったところでは、システム設定アプリケーション「システム設定」がgnome-control-centerからフォークされた アプリケーションに変更されたことでしょう。

今後は更に、このフォーク版も廃止して独自に設定アプリケーションを作成する予定とのことなので
ますます脱Gnome化は強まっていくと思われます。
関連記事:Ubuntuは孤立化を深めるのか?

日本語環境

不評だったiBusのパネルは表示されるように改善されました。
GnomeやUnityとの統合によって「使えない子」になってしまったiBusにも光が見えるでしょうか。
やはり、常時パネルが現在の入力ステータスを表示していて辞書や記号パネルを出せるメリットは
表音文字圏の開発者には分かりづらいのかも知れませんね。

Libre Office

バージョンが4.2.3となりとなりスタートアップ画面でプレビュー画面が使えたり
MateやXfceとの統合が向上しているそうです。

最後に個人的な話を・・・

これだけ説明しておいて薄情な話ですが、
「Ubuntu14.04を使いますか?」
と聞かれると、ちょっと考えてしまします。

もともとUnityが好きじゃなくUbuntu Gnomeを使っていましたので
おろそらくUbuntu Gnome14.04に軟着陸するかと思われます。

独自路線をひた走るUbuntuはLinuxディストロの一つという位置づけよりは
Ubuntuという別のOSを目指して開発されているように見えます。
その先に待っているのは繁栄か衰退か?
筆者は少し離れて見ていようと思います。

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3件のコメント

  • 貴重で奥の深い情報をご提供くださり、ありがとうございます。及ばすながらLinuxを楽しんでいる者です。当初はRedHatから入りFedoraでしたが、最近はUbuntu一辺倒でした。

    ところが、今度のU14.04になり、わがLinux専用の32bitマシンにインストールできなくなり、困っています。やむなくWin8.1のPCを間借りしているような状況です。

    Ubuntuは、個人的な感じではU12.10でほぼ完成していたと思っており、これがいちばん使いやすかったです。今度のU14.04には何か違和感があり、貴記事を読んで納得できました。Ubuntuが営利本位で変な方向へ行かないように願っています。

    ※蛇足: 小生の別のブログでは、Wordpressを使用しています。WPのブログを見ると親近感を覚えます。

    • imada ahiru様
      お越しいただきましてありがとうございます。

      拙いブログではありますが、何かのお役に立てれば幸甚です。
      32bitマシンへのインストールが難航とのことですが、
      Arch Linuxを試してみてはいかがでしょうか?
      私の経験では、7年ほど前の古いXPマシンがArchで復活しています。

      これからもどうぞ、宜しくお願いいたします。

      • クロ様

        ご返信ありがとうございます。Arch Linux 初めて知りました。面白そうですね。

        脳力活性化にも役に立ちそうなので挑戦してみようと思います。10年以上前のRedHatの時代に、CUIと苦闘し、はじめて自分でX System表示が実現できた感激を再び味わえればと期待しています。これからもご指導をいただくこともあるかと思います。どうかよろしくお願いいたします。

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