Ubuntu14.10 Utopic Unicornがリリース!サーバー版はCloud関連を強化

こんにちは。10月23日にUbuntu 14.10がアップデートされましたね。新し物好きな方はベータ版が公開されたころから試していたのではないでしょうか?筆者もデスクトップ版をインストールして少し触ってみました。


開発コードネームはUtopic Unicorn

なんと今回は9.04以来の伝説上の動物である一角獣ですね。しかも「理想郷のユニコーン」あるいは「(越えられない)山の向こうのユニコーン」とも解釈できるネーミングです。何とも幻想的な響きです。
utopic_unicorn

initシステムはUpstartからSystemdへ

まずは大きな変化としてはinitシステムの変更だと思います。
すでに他のディストロでSystemdに慣れている方は問題無いと思いますが、サービスの起動や停止はsystemctlコマンドを使って行うことになります。
画面はUbuntu14.10で以下コマンドを実行した結果です

$ systemctl list-unit-files

01

主なリリース情報

詳細は公式リリースノートをご覧ください。

Kernelは3.16ベースに

より多くのデバイスでグラフィック性能が向上。
仮想環境ではXenやKVMのパフォーマンスが向上。
kernelとモジュールにアドレス空間配置のランダム化を施しセキュリティを向上。

デスクトップ版

デスクトップ版についての正直な感想は「コードネームほど幻想的なことは起きなかった」です。14.04LTSで特別問題がないのであればLTS版を使い続れば良いのではというのが個人的な意見です。
Unity
バグフィックスが多数行われHight-DPIディスプレイのサポート強化

Webブラウザ
FirefoxはVer.33、ChromiumはVer.38へアップデート

GUI関連
Gtkは3.12へ、Qtは5.3へアップデート

オフィスツール
LibreOfficeはPDFサポートを強化した4.3を導入

Xorg
バージョンは1.16を導入しnon-pciデバイスのサポートを強化している。

Ubuntu Developer Tools Centre
目新しいものとしては「Ubuntu Developer Tools Centre」でしょうか。これは開発者向けに開発環境を容易に整備できるツールです。詳しくは公式ページをご覧いただければと思いますが、そこではAndroid Studioの最新版をコマンドラインで導入出来る等の機能が紹介されています。

サーバー版

一方でサーバー版では意欲的な姿勢が垣間見えます。ひょっとするとユニコーンとは捉え処のないクラウドをイメージしているのかも知れません。
クラウド関連ではOpenStackの最新版Ver.2014.2(Juno)を取り込み、JujuのGUI強化し、Dockerの最新版を導入する等、積極的に新しいものを取り入れていく姿勢が伺えます。
サーバー版のリリース情報は量が多いので主なものをピックアップします

  • OpenStack;Ver. 2014.1(Juno)へ対応
  • Juju:最新の安定版1.20.10へアップデート
  • Docker:Ver.1.2へ対応
  • MAAS:Ver.1.7-beta8へアップデートされIvP6を利用可能に

変化するCanonical社の戦場

2004年にUbuntuがリリースされた時Canonical社のターゲットはデスクトップマシンであったと思います。Linuxのデスクトップマシンとしての不便さを払拭し、Windowsと比肩するデスクトップマシンとしてのLinuxの地位獲得に貢献してきました。しかしCanonical社の主戦場はその後、スマートフォンやタブレットにステージを移したかのように見えました。(もちろん今でもUnityなどはタブレット寄りの開発をしていると思います。)しかし、Ubuntu14.10を眺めてみると既にCanonical社が主戦場としているのはデスクトップやタブレットではなく、ハードにもOSにも依存しないクラウド環境での地位確立なのではないかと思えてきました。Canonical社は過去に個人向けクラウドストレージサービスUbuntuOneの撤退を経験しています。鎬を削るクラウド戦場での戦略に注目したいと思います。

最後に

UbuntuファンでありKernel3.16の恩恵を受けたいユーザーにはUbuntu14.10はアップグレードに値するバージョンかも知れません。個人的には「まだまだ14.04LTSから移行しなくて良いかな」と思っています。デスクトップ版ユーザーの筆者はしばらくXubuntu14.04LTSを使い続ける予定であり、もし14.10を使うとしても重たいUnityは使いたくないのでXubuntu14.10を使うことになると思います。導入をお考えの方は日本語Remix版がリリース後にインストールすることをオススメします。

Sponsored Link


コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です