Debian 7.6(wheezy)をインストールする
こんにちは。今回のテーマは『Debian wheezyをインストールする』です。Debianのインストールはとても簡単になり、Linux初心者でも迷うことなくインストールできるようになったと思います。安定版のパッケージが古いことや初期状態ではマルチメディアへ未対応なことを除けばDebianは使い勝手の良いディストロと言えるのではないでしょうか。
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Debianのインストールは難しい?
こだわった設定をしないで、単純にデスクトップやサーバー用途でインストールするだけならばとても簡単だと思います。『Debianのインストールは難しい』というのはDebian 2の頃に英語のインストーラーと格闘し挫折した方が出たためだと思います。筆者自身はDebian 3をインストールした際に「たしかに初心者にはとっつきにくい」という印象を受けました。また、インストール後のランレベルがコンソールモードだったのも初心者には打撃だったのではないでしょうか?
しかしそれらは全て昔の話です。現在のDebianはわかりやすい日本語インストーラーで、インストール直後からデスクトップ環境と日本語環境が整っています。
インストール方法は「Install」と「Graphical Install」がある
※当該項目は2014年9月21日に修正しています。経緯はコメント欄をご覧ください
Debianのインストーラーでは2つのインストール方法が用意されています。「Install」と「Graphical Install」です。「Install」を選ぶと文字ベースでインストールを行うことになります。一方、「Graphical Install」を選ぶとマウスを用いたグラフィカル画面でインストールが出来ます。単純に考えれば「Graphical Install」の方がユーザーフレンドリーなのですが、思わぬトラブルがある場合もあります。今回の記事では文字ベースの「Install」を選択することとします。
筆者の個人的な体験では「Graphical Install」でトラブルがあり中断してしまう場合でも問題ない場合もあり、どちらかと言えば「Install」をオススメしています。
※記事修正前の「CUI」という表現については補足をご覧ください
インストーラーCD,DVDの入手
ネットワークインストール用ディスクイメージ
インストールに最低限必要な機能のみを持ったディスクイメージで、オンライン環境にDebianをインストールするのであればコチラの方が適していると思います。今回はこちらのディスクイメージを使って説明していきます。
ダウンロードはhttps://www.debian.org/distrib/netinst#smallcdからどうぞ。
インストール用のCD,DVDの入手方法は種々用意されています。
通常のインストールディスクイメージ
こちらは基本的なパッケージを備えたディスクイメージでCD用とDVD用があります。当然DVD用の方が要領が大きくパッケージも豊富です。大容量のためダウンロード方法はBitTorrentやjigdo,http等の種々用意されています。しかし、オンラインインストールという選択肢がある現在としてはやや前時代的になりつつあります。
ダウンロードはhttps://www.debian.org/CD/からどうぞ。
インストール
インストールの方針
今回はネットワークインストール用ディスクdebian-7.6.0-i386-netinst.isoを使いデスクトップ環境はXfceを導入していきます。使用用途はデスクトップです。マシン環境は32Bit BIOSシステムを想定しています。
ディスクの起動
デスクトップ環境はGNOMEになっていますので、他を選択する場合はAdvanced options > Alternative desktop environmentsのメニューを開き好みのデスクトップ環境を選びましょう。今回はXfceを選択します。
インストール
ホストネームを決めます。マシンの名前だと思ってください。
ホストドメインを決めます。わからなければlocaldomainで良いと思います。
インストールするドライブのパーティショニングをします。今回はガイドによるパーティショニングを選択します。もしマニュアルでパーティショニングしたい場合は「手動」を選択してください。
リポジトリのミラー場所を選びます。「日本」で良いと思います。
特別理由がなければftp.jp.debian.orgで問題ありません。
パッケージ利用の統計情報を送信する場合は「はい」を選択。どちらでもお好きな方を選んでください。
必要と思われるソフトウェアのカテゴリを選択してください。もしデスクトップ環境がいらない場合はデスクトップ環境を選択肢から外してください。また、ノートPCの場合はノートPCにチェックを入れてください。以下は筆者の設定例です。
GRUBブートローダーのインストールを開始します。これを入れないとシステムがOSを読み込めないので
無事にインストールが完了しました。インストールディスクを抜き取り、再起動しましょう。
再起動/ログイン
再起動しGRUBが無事にDebianを読み込むとログイン画面(GDM)が起動します。
ログイン後はXfceの初期画面となっています。無事にDebian wheezyをXfce環境でインストールすることができました。
補足:CUIという表現について
コメントにて「今回のインストールはCUIではなくGUIでは?」というご意見を頂きました。コメントを頂いた方だけではなく、文中の「CUI」という表現に違和感を感じた方もいるかも知れませんので、筆者の考えを述べておきます。今回、「CUI」という表現を用いた背景は以下の通りです。
1.Debianのインストーラーの表現
Debianのインストーラーには「Install」と「Graphical install」の2つのインストール方法があります。今回記事にしたのはGUIではない「Install」の方です。よってDebian側としては今回記事にした方法は(CUIとは明言していないが)Graphicalとは認識していないと言えます。(尚、Debian JP Projectでは文字ベースとGUIという表現を使っています。)
2.GUIに近いCUIアプリケーションの存在について
CUIとGUIの境界は究極的には個人の感覚によるものと思います。例えばaptitudeやalsamixerなどは今回記事にしたインストーラ画面とよく似ていますがCUIアプリケーションと言われることが多いと認識しています。(Console上で動作することも理由の一つです。)もちろんaptitudeやalsamixerの画面は十分に「Graphicalである」と主張する方がいても異論はありません。
以上のことを考慮し、character-based かつ Console上で動くという観点からCUIという表現を用いました。
一方で、CUI=Command Line Intarface(CLI)という認識の方やコンソール上で動作してもGUIと呼ぶという方には納得できないかも知れないことは了承しています。厳密な線引きが難しい話ですね。
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がんばっているところ申し訳ないですが、マウスが使えないだけで、これはGUIインストールでは?
コンソールでインストールなら、CUIだと思いますが。
halさん
こんにちは。
ブログへお越しいただきありがとうございます。
今回のDebianのインストール方法は「CUI」ではなく「GUI」が適当ではないかとのご指摘にお答えします。
【「CUI」を用いた理由】
ご指摘の点は当方も少々迷いながら「CUI」という言葉を使いました。理由は以下のとおりです。
1.Debianのインストーラーの表現
Debianのインストーラーには「Install」と「Graphical install」の2つのインストール方法があります。今回記事にしたのはGUIではない「Install」の方です。よってDebian側としては今回記事にした方法は(CUIとは明言していないが)Graphicalとは認識していないと言えます。(尚、Debian JP Projectでは文字ベースとGUIという表現を使っています。)
2.GUIに近いCUIアプリケーションの存在について
CUIとGUIの境界は究極的には個人の感覚によるものと思います。例えばaptitudeやalsamixerなどは今回記事にしたインストーラ画面とよく似ていますがCUIアプリケーションと言われることが多いと認識しています。(Console上で動作することも理由の一つです。)もちろんaptitudeやalsamixerの画面は十分に「Graphicalである」と主張する方がいても異論はありません。
以上のことを考慮し、character-based かつ Console上で動くという観点からCUIという表現を用いました。
【記事の修正について】
一方で、Charcter-based User Intarface(CUI)=Command Line Interface(CLI)と捉える方にはコマンドによるインストールと考える方が多いというのも尤もな話だと思います。そして、コンソール上で動作するアプリケーションも時にはGUIと呼ばれ、曖昧な状況であることも理解しています。(参考:Wikipedia(英語))また、記事タイトルに「CUI編」という記載をしたことでCUI環境を構築すると誤解を与えかねないタイトルとなったとも反省しています。
よって、タイトルから「CUI」表現は削除し、Debianでは「Install」「Graphical install」の2通りがあるが、今回は「Install」を選択するという書き方に修正します。また、CUIについては上記で述べた補足をつけることとします。
【お礼】
コメント頂いたことで、CUIという表現自体が”character-based user interface”と”console user intarface”の2つの意味を持ち、何をもって「Graphical」なのかという感性の問題が入り込む余地があることを改めて考えさせられました。コマンドによる操作をするかどうか?という観点から「CLI」かそれ以外かという区別のほうが好ましいのかも知れません。
今後ともよろしくお願いたします。ありがとうございました。
厳しいことを言わせてもらいますが、率直な感想です。
このたび、DebianでのCUIインストール手法を探していて、このサイトに一番にたどり着きました。
調べる側からして、「CUIインストール」の検索で、このようなテキストモードのインストールは全く期待していません。
GUIインストールが増える中、CUIインストールの情報を調べるのが逆に難しくなっています。
そんな中、CUIインストール情報にたどり着いたと思って見てみたら、通常のインストール手法。
「なぜ、これがCUIインストールなの?」というのが率直な思いでした。
確かにCUIベースでできているツールかもしれませんが、これらのツールが目指しているのはGUIです。
Xが動かない環境で仕方なしにCUIでGUIを構築しているわけであって、ユーザー側からすれば、CUIの本質であるコンソール操作が一切ありません。
だから、本家でもCUIインストールと言っていないわけで、純粋なCUIインストール情報を探す人間にとっては、正直困ります。
素人さんに「CUIでのインストール」がこんなものだと勘違いされても困りますし。
GUIインストール情報が溢れる世の中、逆に純粋なCUIインストール情報が整理されていると良いような気がします。
クロさんには、CUIもどきのインストール手法ではなくて、純粋なCUIインストール記事を書いていただければうれしいと思う次第です。
すいません。
なぜ追記したかというと、記事内に「CUI編」が残っていたので。
halさん
こんにちは。
コメントいただき有り難うございます。
管理人のクロです。
まず本文中の「CUI編」の表現が残っていた件ですが、これは単純な削除し忘れです。
特段の意図はありません。お詫びいたします。
そして、「CUIインストール」という言葉の与える印象についてですが、おっしゃることはよく分かりました。
即ち、「コマンドラインベースのインストール法」を解説する記事を期待をさせるタイトルであるにも関わらず、本質部分はGUIであり読者の混乱を招くという主旨だと思います。この点について異論はありません。情報を検索する側の視点が抜けているというご指摘は尤もだと思います。
お探しの情報は恐らくGentooやArchのようにコマンドラインによるインストール方法だと思いますが、残念ながら当方は現時点では答えを持ちあわせておりません。
正直言えばDebianにはインストーラーが付属しているのでコマンドラインで導入しようという発想がありませんでした。(ご存知のとおりDebianにはInstall with speech synthesis というテキストベースの方法もありますが、恐らく求めているものとは違うと思います。)しかし、とても面白いテーマを頂いたと思っていますので、いつか自分なりに消化できたら記事にできればと考えています。
これはCUIではなくTUI(テキストインターフェース)と思われます