Slackwareのパッケージ管理ツールslackpkgを使う
2015-03-06
2022-01-16
こんにちは。今回のテーマは『Slackwareのパッケージ管理ツールslackpkgを使う』です。slackpkgは公式なパッケージ管理ツールであり、これを使うことで公式パッケージの管理がぐっと楽になります。手動のパッケージ管理も趣深いですが、利便性を優先するなら使ってみる価値があると思います。 【関連記事】 Slackware14.1でソースからパッケージを自作する Slackware 14.1を使ってみた [adsense02] 【目次】 slackpkgで何が出来るの? 公式リポジトリを管理するならslackpkgが簡単 slackpkgのインストールと設定 slackpkgを使おう
slackpkgで何が出来るの?
オンライン上のSlackware公式リポジトリとローカルをシームレスにつないでパッケージ管理ができるようになります。UbuntuではAPT、Fedoraで言えばyumのような存在です。公式パッケージの管理はslackpkgに任せることにより一つひとつHP上から検索してダウンロードしてくる手間が省けます。オンランリポジトリのパッケージを検索し、インストールやアップグレードができます。 ただslackpkgだけではSlackwareはさほど便利に感じられないと思います。これは一重に『Slackwareの公式パッケージが少ない』ためです。slackpkgは便利なツールですが、対象となるパッケージが少ないために、出番も少ないというわけです。
公式リポジトリを管理するならslackpkgが簡単
そのようなツールをなぜ使うのか?ここまで読んだ方の疑問は分かります。しかし、公式リポジトリが提供しているパッケージを管理するには手動で行うのに比べて圧倒的に便利です。slackpkgを用いない場合はpkgtoolを用いて手動で一つひとつインストールやアップグレードをしなくてはいけません。(それはそれで楽しいのですが)
slackpkgのインストールと設定
インストール
slackpkgがインストールされていない状態ではslackpkgを手動でインストールする必要があります。筆者は以下の手順でインストールしました。(Slackware 14.1の場合です)パッケージのダウンロードはウェブブラウザでもOKです。
$ mkdir ~/tmp $ cd ~/tmp $ wget http://packages.slackware.com/?r=slackware-14.1&p=slackpkg-2.82.0-noarch-12.tgz $ su - root# installpkg slackpkg-2.82.0-noarch-12.tgz
ミラーの設定
リポジトリのミラーを設定します。
root# vim /etc/slackpkg/mirrors
任意のミラーサーバーをコメントアウトします。筆者は以下の部分をコメントアウトしました。
ftp://riksun.riken.go.jp/Linux/slackware/slackware-14.1/
/local/binへのリンク(任意)
/local/bin/にリンクしておくと一般ユーザーとしてsudoなどでslackpkgを使えるようになります。以下コマンドでシンボリックリンクを張ります。
root# ln -s /usr/sbin/slackpkg /usr/bin/
slackpkgを使おう
slackpkgの基本的な使い方
基本的なコマンドは次項を見て下さい。ここでは簡単に使い方を紹介します。 #1. 最初はオンラインリポジトリとの同期 オンラインリポジトリとローカルのパッケージリストを同期させるために以下のコマンドを実行します。
root# slackpkg update
#2. システム全体の更新はupgrade-allで システムの中の全てのパッケージをアップグレードする場合には以下のコマンドを実行します。このコマンドはAPTだとapt-get upgradeに相当します。
root# slackpkg upgrade-all
実行するとアップグレードするパッケージが表示されます。 #3. パッケージのインストールも簡単 パッケージのインストールは他のディストロのパッケージ管理ツールと変わりません。以下のようにコマンドを実行するだけです。
root# slackpkg install <パッケージ名>
slackpkgの基本コマンド
以下にはslackpkgの基本的なコマンドを紹介します。全てのコマンドを見るにはman slackpkgを実行して下さい。
操作 | コマンド |
---|---|
パッケージリストの更新 | slackpkg update |
全てのパッケージを更新 | slackpkg upgrade-all |
特定のパッケージを更新 | slackpkg ugrade <パッケージ名> |
パッケージをキーワードで検索する | slackpkg search <キーワード> |
パッケージをインストールする | slackpkg install <パッケージ名> |
パッケージを削除する | slackpkg remove <パッケージ名> |
パッケージの情報を表示する | slackpkg info <パッケージ名> |
パッケージをダウンロードする | slackpkg download <パッケージ名> |
最後に
ユーザーが手動でパッケージ管理をしてこそSlackwareと感じる方にとってはSlackwareが公式にパッケージ管理ソフトを備えることに違和感を感じているかも知れません。オンラインリポジトリでのパッケージ管理が一般的となった現在ではSlackwareも時代に合わせた形に変化してきているのかも知れませんね。Slackwareのもうひとつの重要なパッケージマネージャーsbopkgについては機会を改めて紹介できればと思います。 [adsense]