Linuxを日常的に使う実験ブログ

AUR(Arch User Reposytory)を活用する方法

 2014-03-23

 Arch Linux

AURってなに?

AURはThe Arch User Reposytoryの略でコニュニティによるユーザーが参加可能なリポジトリです。Ubuntuを使っている方はきっとサードパーティリポジトリとしてLaunchPadを登録している方も多いと思います。Arch Linuxでは公式リポジトリでは扱っていないパッケージを扱うためのリポジトリとしてAUR(Arch User Repository)があります。しかし、UbuntuにおけるLaunchPadとは少し使い方が異なります。

パッケージのビルドは自分でする

LaunchPadとの大きな違いはバイナリファイルが置いていないということです。AURからは○○.tar.gzファイルがダウンロードできますが、この中身はPKGBUILDというビルド手順が書かれたファイルとソースファイルです。ユーザーはmakepkgコマンドでビルドする必要があります。 関連記事:Arch LinuxでArch Build System (ABS)を使う方法 [adsense02]

2ちゃんねるブラウザ「JD」をインストールしてみる

実際に使ってみよう

BSDやgentoo、slacwareを使っていた方ならば上記説明だけでニュアンスがつかめたと思いますが、 UbuntuやFedoraのユーザーには少し馴染みにくいと思います。 そこでAURを実際に使ってみましょう。

AURにアクセスする

2ちゃんねる専用ブラウザ「JD」の説明は今回は省略します。(笑) AURホームへ行きましょう。 今回は検索窓に「jd」と入力し「JD」のページに飛びます。

AURホームでjdを検索

 

jdの検索結果

 

拡大図

 

PKGBUILDを確認する

パッケージアクション部分の「PKGBUILDを見る」を押してみるとPKGBUILDの中身が見られます。 この記述に従ってパッケージがビルドされます。

# Maintainer: Romain Labolle

pkgname=bluegriffon pkgver=1.7.2 pkgrel=1 pkgdesc=‘The next-generation Web Editor’ url=“http://bluegriffon.org/” arch=(‘i686’ ‘x86_64’) license=(‘MPL’ ‘GPL’ ‘LGPL’) depends=(‘libpng’ ‘libjpeg’ ‘desktop-file-utils’ ‘libxt’ ‘mime-types’ ‘nss’ ‘shared-mime-info’ ) makedepends=(‘wget’) install=‘bluegriffon.install’ source=(“http://bluegriffon.org/freshmeat/${pkgver}/bluegriffon-${pkgver}.Ubuntu13.04.$CARCH.tar.bz2” ‘bluegriffon.desktop’ ‘bluegriffon.install’ ) md5sums=(‘33ed2194189b012bb36a02a30aeb52df’ ‘e532ce3a2163d91b11a19176dcf2dbe1’ ‘42d885a1665f32babc8045b2041949ea’ ) [ “$CARCH” = “x86_64” ] && md5sums[0]=‘fbae6365980d87dde5e4ce044d55be38’

package() { cd ${srcdir} mkdir -p ${pkgdir}/{usr/{bin,share/{applications,pixmaps}},opt} cp -R bluegriffon ${pkgdir}/opt/${pkgname}

ln -s /opt/${pkgname}/bluegriffon ${pkgdir}/usr/bin/${pkgname} install -m644 ${srcdir}/${pkgname}.desktop ${pkgdir}/usr/share/applications/ install -m644 ${srcdir}/bluegriffon/chrome/icons/default/default48.png ${pkgdir}/usr/share/pixmaps/${pkgname}-icon.png }

 

tarballをダウンロード

次に「tarballのダウンロード」を押してファイルをダウンロードしましょう。 jd.tar.gzファイルがダウンロードされます。 以下コマンドで解凍しましょう。

$ cd <ダウンロード先ディレクトリ> $ tar -zxvf jd.tar.gz

jdというディレクトリができて中には先ほど確認したPKGBUILDファイルが入っています。

ビルドしよう

ではビルドしていきましょう。

$ cd jd $ makepkg -s

※オプション-sを使うとsudoを使って依存関係を自動で解決します。 ちょっと待っていればビルドされたパッケージjd-2.8.7-1-i686.pkg.tar.xzが作られます。

インストール

ビルドしたパッケージはpacmanで扱えるようになります。 ではpacmanを使ってインストールしましょう。

$ sudo pacman -U jd-2.8.7-1-i686.pkg.tar.xz

これでAURからのパッケージのインストールは完了です。 AURを使えるようになると公式リポジトリにないパッケージもインストール可能になります。 ちなみに、公式リポジトリ以外からインストールしたパッケージは

$ pacman -Qm

で調べることができます。

AURはユーザーが参加できるリポジトリ

最後になりますが、AURはユーザーの貢献で成り立っています。 PKGBUILDが書ければ現在登録されていないパッケージを投稿することもできます。 また、気に入ったパッケージには「投票(vote)」することもでき、投票数が増えると 公式リポジトリに追加されるかも知れません。 まさにArch Linuxの運営に直接関われるというのも面白いと思いませんか? [adsense]