Manjaro Linux Xfce Edition 15.09を使ってみた
2015-10-21
2015-10-21
こんにちは。今回のテーマは『Manjaro Linux Xfce Edition 15.09を使ってみた』です。これまでメインマシン愛用してきたXubuntuですが、他のディストロを試してみたくなってきました。ただ、メインマシンなので最小環境からデスクトップ環境を構築するという手間は避けたく、Manjaro Linuxに白羽の矢を立て、/homeパーティションを引き継ぎルート内のシステムだけをそっくり入れ替えました。Xfce環境も引き継ぎたかったのでmanjaro-xfce-15.09-x86_64を選択しています。今回は導入してみた感想をお伝えできればと思います。 【関連記事】 [adsense02] 【目次】 Manjaro Linuxとは DebianにとってのUbuntu的な位置づけ Manjaro Linuxの導入はとても簡単 使いやすいGUIツールたち 日本語環境 どんなユーザーにオススメか?
Manjaro Linuxとは
Arch Linuxの人気の高まりと共にManjaro Linuxについても耳にする機会が増えました。Manjaro Linuxをとても語弊を恐れず簡単に説明するとArch Linuxに現代的なインストーラーとデスクトップ環境とGUIツールをセットにして提供しているディストリビューションです。
DebianにとってのUbuntu的な位置づけ
前述の通りManjaroはArchをより導入しやすく親しみやすくしたディストリビューションです。このようなパワーユーザー向けのディストリビューションを初心者でも使えるようにしたディストリビューションとしてはDebianに対するUbuntuやGentooに対するSabayon等が有名です。ただ最近のDebianは派生ディストリビューションの成果を取り込みユーザーフレンドリー化が進んでいるのでArchとManjaroの差はDebianとUbuntuよりもあると考えた方が良いと思います。
Manjaro Linuxの導入はとても簡単
高いハード認識
今回インストールしたマシンはNVIDIAのグラフィックボードを使用しているのでDebianを始め多くのディストロでは自分でプロプライエタリなドライバをインストールすることが多いのですが、(Ubuntuの場合はインストール後に「追加のドライバー」で追加)manjaroではインストール時にプロプライエタリなドライバを使用する選択をしておけば自動的に検出されNVIDIAドライバがインストールされ、再起動時には綺麗な画面でXorgが起動しました。
親切なGUIインストーラー
manjaroは多くのユーザーフレンドリーディストロと同様にGUIインストーラーでインストール出来るようになっていています。(テキストベースのインストーラもあります)GUIインストーラーはFedoraやUbuntu同様に非常に簡単に対話式にインストールが可能です。
インストーラーThusの快適さと課題
とても快適なインストーラーThusですが、2015年10月現在ベータ版であり、不具合が起こる可能性も有ります。筆者がManjaroをインストールした際にはGrubのインストールに不具合で起動できず、結局chroot環境からgrub-installを実行することになりました。筆者のケースはレアケースかも知れませんが、まだまだ課題はあるなと感じています。Linuxに初めて触る初心者がこのような事態に陥ったらなかなか対処は難しいのではないでしょうか?
使いやすいGUIツールたち
ManjaroにはArch Linuxでは公式に採用していないツールを採用しより使いやすくしています。いくつか紹介したいと思います。
GUIパッケージマネージャー
Arch Linuxにおけるパッケージ管理といえばpacmanやyaourt等のCUIツールを使うことが当たり前ですが、manjaroではGUIパッケージマネージャーが使えます。デスクトップ環境に応じてPamacやOctopiがプリインストールされています。
Manjaro Setting Manager
この設定ツールはmanjaro独自に提供しているGUIツールであり、言語やカーネル、ドライバ等のシステムに関わる設定を可能とします。 画像はカーネル設定
日本語環境
日本語表示は問題ない
インストール時に日本語を選択しておけば言語設定がされフォントもインストールされるので表示に関しては問題ありません。
日本語入力は自分でセットアップする必要あり
残念ながらインストール直後の環境は日本語入力をサポートしていません。自分で日本語入力環境を設定する必要があります。ここがUbuntu Japanese Teamが日本語Remix版を出しているUbuntuとは異なる点です。
どんなユーザーにオススメか?
ターゲット層としてストライクゾーンに入るのはある程度Linuxを触った経験があるけれどArch LinuxのCLIインストールに抵抗を感じて躊躇っているユーザーだと思います。以下のような方は使ってみては如何でしょうか?
- Arch Linuxに興味があるけどCUIインストールがハードルだと感じる
- CUIのみの最小環境からGUI環境を作る自身がないけどArch系に興味がある
- 2台目のマシンには手軽なディストロを入れたい
- 面倒なことは全部省略してpacmanの便利さを実感してみたい
- Debian系やRed Hat系に飽きた。でもGentooやArchは近づきがたい
- ローリング・リリースのディストロを気軽に触ってみたい
Linux初心者にも使いやすい?
Linux初心者がManjaroを選択するという点についてはどうでしょうか?初心者と一言で言っても個人の技量に大きく差があるので一概には言えないのですが、初心者が選択するディストロとしてManjaroは視野に入ると思います。ただし、インストールで失敗がないことと、日本語入力環境がスムーズに導入できることが条件です。
Archユーザーには物足りないかも知れない
最小環境からカスタムを重ねてシステムを自分色で染めてきたパワーユーザーにとってManjaroはお仕着せのディストロと映るかも知れません。筆者もデスクトップ環境としての完成度やハード認識度の高さに感心しながらも、どこか全自動で設定されてしまう寂しさを感じました。カスタム好きなユーザーはどこかマニュアル特有の不便さを求める部分があると思います。この2つのディストロには共通部分が多々ありますが、思想的な部分では大きく異なります。Arch Linuxはミニマニストディストリビューションであり、シンプルであることを重視します。
最後に
冒頭でも述べたとおり、メインマシンではXubuntuを使用していました。インストール直後からデスクトップマシンとして軽快に使用できるという点でXubuntuはとても好きなディストロです。今回はManjaroが噂通りXubuntuと遜色なく使用できるか試したのですが、大変満足しています。もちろん多少アプリケーションの差はあるし、日本語入力に関しては自分でセットアプする必要がありますが、デスクトップマシンとしての細やかな作りはXubuntuやLinux Mintに勝るとも劣らない出来だと思いました。 [adsense]