Linuxで使えるデスクトップ環境2015
2015-05-12
2017-04-02
こんにちは。今回のテーマは『Linuxで使えるデスクトップ環境2015』です。今回紹介するデスクトップ環境はすべてオープンソースで開発が進んでおり、Linuxに限らず多くのオープンソースOSで使うことが可能です。筆者の独断と偏見でデスクトップ環境をレビューしてみたいと思います。 [adsense02] 【目次】 デスクトップ環境を変えれば操作性が大きく変わる 実用的で使いやすいデスクトップ7選 GNOME KDE Xfce LXDE MATE Cinnamon Enlightenment
デスクトップ環境を変えれば操作性が大きく変わる
GUI環境が一般的となった今日ではデスクトップ環境とはコンピューターの顔のような役割を果たしています。Macが使いやすいとかWindows 8がイマイチという話は大抵UI(デスクトップ環境)に関することだと思います。MacやWindowsがデスクトップ環境をシステムと不可分な存在として売りだしたためにデスクトップ環境(UI)=OSという認識が出来上がっているように感じています。 しかし、ご存知の通りLinuxやBSDのフリーOSではデスクトップ環境を選択することが出来ます。各デスクトップ環境は独自の歴史と特徴を持ち、それぞれに熱心なファンを持っています。もし、今お使いのデスクトップ環境が気に入らないのなら変更するというのも一つの手です。(カスタマイズするというのもありですが) お気入りの環境を長く使うのも良いですが、せっかく選択の自由を手にしているのですから気分を一新する意味でもデスクトップ環境を変えてみてはいかがでしょうか?
実用的で使いやすいデスクトップ7選
GNOME
シンプルな見た目と洗練されたデザインの都会派デスクトップ環境 公式HP:https://www.gnome.org/ すっきりしたデザインでごちゃごちゃとしたボタンなどは極力排除しています。デスクトップはスッキリとしていて無駄がなくアプリケーションの名前が羅列されたメニューバーすら存在しません。その点でこれまでのデスクトップ環境とは大きく異なっていて斬新な印象を与えます。ただ、クラシカルなデスクトップ環境に慣れた方には少々使い勝手が悪いかも知れません。 見た目ばかりで機能面がおろそかになっているということではありません。通常のデスクトップからモードを切り替えたアクティビティ画面では開いているウィンドウやワークスペースが一望でき、大きなアプリアイコンからアプリを起動できるなど機能的です。検索バーはアプリだけでなくファイルの検索やアドレス帳との連携や編集中のファイル名まで管理してくれる優れもので、ユーザーの利便性を考慮した機能が詰まっているデスクトップ環境です。 GNOMEはDebian,Fedoraで標準デスクトップとして採用されるなど、非常にメジャーなデスクトップ環境です。初心者の方でGNOMEを使ってみたい場合はFedoraやUbuntu GNOMEがオススメです。
KDE
派手さと機能美を詰め込んだギミック満載のデスクトップ環境 公式HP:https://www.kde.org/ Windowsライクな見た目と派手なガジェットが前面に出ているKDEはマットなデザインでシンプルを標榜するGNOMEとは好対照なデスクトップ環境と言えると思います。この2つはフリーOSの世界では人気を二分する双璧でありどちらもに熱烈なファンがいます。 KDEはGUIルールキットにQtを採用していて、アプリケーションの外見はQtで統一されています。よってKDEのユーザーは普段使うアプリもQtベースの「KDEアプリケーション」を好んで使う傾向があるようです。見た目の統一感と個々の独立したアプリケーションがそれぞれ力を発揮しKDEの世界観を創りあげているのでカスタマイズが容易という点も魅力の1つです。 執筆時の最新版はKED Plasma 5.3であり高速で強力な環境には根強いファンを形成しています。KDE4から操作感が刷新され、最新版でも操作性は引き継がれています。 KDEは非常に多くのディストロで標準またはそれに準ずるデスクトップ環境として採用されています。Debian,Fedora,Arch,Gentooなど主要デストロから提供されています。Linux初心者でKDEを使いたいかたはKubuntuがオススメです。
Xfce
堅実で軽快!過不足ない機能を備えた実務派のデスクトップ環境 公式サイト:http://www.xfce.org/?lang=ja Xfceは1つ1つの完結した機能をもったユニットを組み合わせることでシステムを構築するというUNIX思想に大きな影響を受けたデスクトップ環境です。よってXfceはいくつもの独立したアプリケーション群で出来ており、それらは他のパーツと交換可能になっています。 もちろん他のデスクトップ環境でもこのようなものはありますが、Xfceは意識的に開発されていると言えると思います。その影響かXfceは最小環境から構築するユーザーから好まれて使われているようです。 XfceはDebian,Fedora,openSUSE,Arch等の主要なディストロから提供されています。Xubuntuでは標準デスクトップとして採用されています。
LXDE
シンプルで軽快さは抜群。素朴なのに機能的なデスクトップ環境 公式サイト:http://lxde.org/ メジャーなデスクトップ環境のなかでは非常に軽いことで評判です。機能性も必要最低限のものに絞り派手なエフェクトもありません。旧型のマシンで動かす場合にはXfceと並んで候補に挙がるデスクトップ環境だと思います。 特にWindows XPが動いていたマシンを動かす際にはLXDEは大きな力を発揮すると思います。KDEではとても動かないマシンでもLXDEならば使えることもあります。 LXDEはDebian,Fedora,Arch,openSUSE等の主要なディストロで提供されていて、容易に導入可能ですが、試してみるだけならLubuntuのライブDVDが適当かも知れません。
MATE
シンプルなのにオシャレ。均整の取れたデザインと機能美が魅力 公式サイト:http://mate-desktop.org/ MATEはGNOME2をベースに作られた軽く実務的な性能を追求しており、GNOME3に馴染めなかったGNOME2のファンから人気を集めています。3Dアクセラレータを必要としないためにGNOME3のようなリッチなデスクトップと比べると派手なエフェクトは使えませんが、シンプルにデスクトップ環境を使いたい人には軽くて快適な環境を提供してくれるはずです。 MATEは多くのディストロで導入可能ですが、Linux MintやUbuntu MATEを使ってみるのが簡単かと思います。
Cinammon
リッチだけど無駄がない。綺麗にまとまった大人のデスクトップ環境 公式サイト:http://cinnamon.linuxmint.com/ 大幅に使い勝手を変更したGNOME3(GNOME shell)は必ずしも多くの人に受け入れられたわけではありませんでした。CinammonはリッチなGNOME3をよりクラシカルな使い勝手で使えるように改良したデスクトップ環境です。見た目や使い勝手はMATEと非常に似ていますが、こちらは3Dアクセラレータを必要とするため、低スペックマシンでは動作が重いかも知れません。 Cinnamonを使ってみるにはLinux MintのCinnamon版を使うのが一番簡単です。
Enlightenment
派手なエフェクトとサイバーなデザインが魅力な遊び心を駆り立てる 公式サイト:https://www.enlightenment.org/ 似たようなデスクトップ環境が並ぶ中で異色の存在とも言えるのがEnlightenmentだと思います。サイバーテイストな無機質感と近未来的なエフェクトはスポーツカーのコックピットを連想させます。 KDEやGNOME等の有名なデスクトップ環境との大きな違いは万人に受け入れられることを狙っていない点ではないでしょうか?大衆車ではなくスポーツカーでいたい。そんな開発者たちの心意気を感じるデスクトップ環境です。 Enlightenmentは標準のデスクトップとしての採用は少ないですが、Arch LinuxやGnetoo Linuxで比較的簡単に導入できると思います。
最後に
今回はデスクトップ環境に着目し、awesomeやi3のようなウィンドウマネージャーは省略しました。もちろんウィンドウマネージャーを基礎として自分の好みのファイルマネージャーを組み合わせてデスクトップ環境を作ることも可能です。ただ、今回紹介したようなセットで提供されているデスクトップ環境はソフトウェア同士の連携も考慮された作りになっており、初心者の方にはより使いやすいのでは無いかと考えています。 [adsense]