iBus 1.5について思うこと

ちょっと古い話題だが、
iBusが1.5になり、OSSな世界の方々の間では何かと話題になっていた。
参照:iBus 1.5がクソすぎる

Linux使いの端くれとして興味がある話題なので
ここのブログでも触れておこう。

1.5になり何が変わったのか
そして、何がユーザーを戸惑わせたのか・・・

1.WindowsとMacの流儀の違い
まず第一の変化は日本語/直接入力の切り替え方法だろう。
従来であれば、日本語/直接入力の切り替えはIME(input method editor)
で行なっていた。
IMEで有名なところではmozcとかanthyとかwnnとかがある。

私達はこれらのIMEを起動しっぱなしにして、
IME上で全角か半角英数か切り替えられた。
そうするとIMEのインジケーターに現在のモードが表示されるのだ。
これはWindowsで慣れ親しんだ手法だ。

一方で、Macではちょっと日本語/直接入力の切り替えの流儀が違う。
IMを操作してIMEをON/OFFするのだ。
何ともややこしい話だが(笑)
つまり、日本語入力のIME(たとえば「ことえり」)を
IM側で「ことえり」ON→日本語入力
IM側で「ことえり」OFF→半角英数(直接入力)

2.目指したのはMac
おそらく、今回ibusが1.5で目指した切り替え法はMac流だったのだろう。
IM(ibus)を操作することで
直接入力用の「日本語」と日本語全角入力用の「mozc」を切り替えられるようにした。

しかし、話をややこしくしたのは
IMEとキーボードレイアウトを統合してしまったことだ。
つまりmozcを無効にしたあと、日本語用のキーレイアウトを規定しておかないと
直接入力ができないため図のような設定なる・・・

初めて設定した人間には奇異に感じる。
(詳しくは、あわしろいくや氏の下記記事を参照)
Ubuntu weekly Recipe 第274回 Fcitxを使用する

3.更にショートカットが変更に
そして、切り替えキーの変更だ

従来はIMEを起動したまま、「全角/半角キー」でIMEを操作した。
今度はsuper+spaceでIME(mozc)のON/OFFを行うのがデフォルト設定だ。

下図のように、IME(及びキーレイアウト)を切り替えることで入力を切り替える。

私のような日本語キーレイアウトのキーボードを使う人間には
慣れの問題で片付けられる。

だが、確かに多くの過去のiBusに慣れたユーザーにとって
受け入れがたい改変だったとは思う。

私はibusでmozcを使っているが、mozcを起動しっぱなしにして
全角/半角キーでmozc上で日本語/直接入力の切り替えを行なっている。

4.gnomeとの統合について
しかし、個人的にはibusのgnomeへの統合は賛成しかねる。
それは私がOSSの世界は選択することを容易にできるべきだと考えるからだ。

少なくともibusのgnomeへの統合は他のIMへの移行を難しくした。
fcitxやuimをインストールして
im-configで設定するだけでは使えない状態になってしまった。
ここで躓く初心者が「だからLinuxは難しいんだ」と思われる要因になり得る。

ibusの無効化をすぐに

$ gsettings set org.gnome.settings-daemon.plugins.keyboard active false

と解決できる初心者がどれだけいるだろうか?

ibusはひとつの独立したパッケージとしてFcitxなどと交換可能な
パーツの一つとしてあって欲しいと思うのであった。

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