【2019年版】Linuxで使えるデスクトップ環境9選

こんにちは。今回のテーマは『Linuxで使えるデスクトップ環境2019』です。前回デスクトップに関する記事を書いたのが2015年ですので、時の流れるのは早いものですね。2015年当時よりもデスクトップ環境も多様化しました。どのデスクトップ環境を入れるか?というのはディストリビューションと同じぐらい楽しい選択ですよね。

今回紹介するデスクトップ環境はすべてオープンソースで開発が進んでおり、Linuxに限らず多くのオープンソースOSで使うことが可能です。筆者の独断と偏見でデスクトップ環境をレビューしてみたいと思います。



【目次】
Linuxはデスクトップ環境が好みで選べる!
実用的で使いやすいデスクトップ9選
GNOME
KDE
Xfce
LXQT
MATE
Cinnamon
Budgie
Enlightenment
Deepin

Linuxはデスクトップ環境が好みで選べる!

GUI環境が一般的となった今日ではデスクトップ環境とはコンピューターの顔のような役割を果たしています。Macが使いやすいとかWindows 8がイマイチという話は大抵UI(デスクトップ環境)に関することだと思います。MacやWindwosがデスクトップ環境をシステムと不可分な存在として売りだしたためにデスクトップ環境(UI)=OSという認識が出来上がっているように感じています。

しかし、ご存知の通りLinuxやBSDのフリーOSではデスクトップ環境を選択することが出来ます。各デスクトップ環境は独自の歴史と特徴を持ち、それぞれに熱心なファンを持っています。もし、今お使いのデスクトップ環境が気に入らないのなら変更するというのも一つの手です。(カスタマイズするというのもありですが)

お気入りの環境を長く使うのも良いですが、せっかく選択の自由を手にしているのですから気分を一新する意味でもデスクトップ環境を変えてみてはいかがでしょうか?

実用的で使いやすいデスクトップ9選

GNOME

洗練されたデザインにこだわった機能的なデスクトップ環境
公式HP:gnome.org
すっきりしたデザインでごちゃごちゃとしたボタンなどは極力排除していいます。デスクトップはスッキリとしていて何も置かれず、アプリケーションの名前が羅列されたメニューバーすら存在しません。その点でこれまでのデスクトップ環境とは大きく異なっていると言えるのでは無いでしょうか?。

しかし決して見た目ばかりで機能面がおろそかになっているという意味ではありません。通常のデスクトップからモードを切り替えたアクティビティ画面では開いているウィンドウやワークスペースが一望でき、大きなアプリアイコンからアプリを起動でき、検索バーはアプリだけでなくファイルの検索やアドレス帳との連携や編集中のファイル名まで管理してくれるのでユーザーの利便性をより高めてくれます。

GNOMEはDebian,Fedoraで標準デスクトップとして採用されるなど、非常にメジャーなデスクトップ環境です。初心者の方でGNOMEを使ってみたい場合はFedoraやUbuntu GNOMEがオススメです。

02

KDE

派手さと機能を詰め込んだギミック満載のデスクトップ環境
公式HP:kde.org
Windowsライクな見た目と派手なガジェットが前面に出ているKDEはマットなデザインでシンプルを標榜するGNOMEとは好対照なデスクトップ環境と言えると思います。この2つはフリーOSの世界では人気を二分する双璧でありどちらもに熱烈なファンがいます。

KDEはGUIルールキットにQtを採用していて、アプリケーションの外見はQtで統一されています。よってKDEのユーザーは普段使うアプリもQtベースの「KDEアプリケーション」を好んで使う傾向があるようです。見た目の統一感と個々の独立したアプリケーションがそれぞれ力を発揮しKDEの世界観を創りあげているのでカスタマイズが容易という点も魅力の1つです。

GNOMEと同じく統合的なデスクトップ環境を提供してくれますので、システム周りのことに関してはKDE用のアプリケーションで用が済んでしまうくらいツール郡の開発にも力を入れています。

KDEは非常に多くのディストロで標準またはそれに準ずるデスクトップ環境として採用されています。Debian,Fedora,Arch,Gentooなど主要デストロから提供されています。Linux初心者でKDEを使いたいかたはKubuntuがオススメです。

Xfce

堅実で軽快!過不足ない機能を備えた実務派のデスクトップ環境
公式サイト:xfce.org
Xfceは1つ1つの完結した機能をもったユニットを組み合わせることでシステムを構築するというUNIX思想に大きな影響を受けたデスクトップ環境です。よってXfceはいくつもの独立したアプリケーション群で出来ており、それらは他のパーツと交換可能になっています。

もちろん他のデスクトップ環境でもこのようなものはありますが、Xfceは意識的に開発されていると言えると思います。例えばインプットメソッドを統合するようなGNOMEとは対象的かと思います。結果的にカスタマイズが好きなエンジニアが最小環境から構築していく場合にXfceを選択するケースも多いようです。

XfceはDebian,Fedora,openSUSE,Arch等の主要なディストロから提供されています。Xubuntuでは標準デスクトップとして採用されています。

LXQT

機能性と軽量さを兼ね備えたデスクトップ環境
公式サイト:lxqt.org
LXQtは歴史的にはLXDEから派生したデスクトップです。LXDEがUIインターフェースにGTK+を用いているのに対してLXQtはQtを用いています。他にQtを用いている有名なデスクトップ環境としてはKDEがあります。Qtを用いることで特有の洗練された優美さを演出し、KDEグループで開発されているQt系のアプリケーションとの相性も良くなります。

LXQtはLXDEが目指す軽量で堅実なデスクトップという方針は維持しつつもQtを用いることでより使いやすいデスクトップ環境を作ろうと目指して開発されています。LXDEをQtで作ろうとしたグループはLXDE-QtとRazor-Qtの二つのグループがありましたが現在ではLXQtとして活動しています。詳しくはhistroy(英語)を参照して下さい。

MATE

シンプルな美しさ。均整の取れたデザインと機能美が魅力
公式サイト:mate-desktop.org
MATEはGNOME2をベースに作られた軽く実務的な性能を追求しており、GNOME3に馴染めなかったGNOME2のファンから人気を集めています。3Dアクセラレータを必要としないためにGNOME3のようなリッチなデスクトップと比べると派手なエフェクトは使えませんが、シンプルにデスクトップ環境を使いたい人には軽くて快適な環境を提供してくれるはずです。

MATEは多くのディストロで導入可能ですが、Linux MintやUbuntu MATEを使ってみるのが簡単かと思います。
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Cinammon

リッチだけど無駄がない。綺麗にまとまった大人のデスクトップ環境
公式サイト:cinnamon.linuxmint.com
大幅に使い勝手を変更したGNOME3(GNOME shell)は必ずしも多くの人に受け入れられたわけではありませんでした。CinammonはリッチなGNOME3をよりクラシカルな使い勝手で使えるように改良したデスクトップ環境です。見た目や使い勝手はMATEと非常に似ていますが、こちらは3Dアクセラレータを必要とするため、低スペックマシンでは動作が重いかも知れません。

Cinnamonを使ってみるにはLinux MintのCinnamon版を使うのが一番簡単です。
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Budgie

落ち着きと優美さを兼ね備えた第三の選択肢
公式サイト:Solus公式ページ
Budgieは先進的なディストリビューションの創造を目指すSolusプロジェクトから生まれました。より多くの人に使いやすく親しみやすいデスクトップ環境を目指して開発されています。これまでBudgieはGNOMEアプリケーションとの統合を目指してGTK+ベースで開発を続けてきましたが、諸所の問題からQtベースへ移行する予定のようです。

2019年1月現在で入手できる段階ではまだGTK+ベースですが、今後が楽しみなデスクトップ環境です。
Budgieを使ってみるにはUbuntuのBudgieフレーバーを使うのが簡単です。

Enlightnment

派手なエフェクトとサイバーなデザインが魅力な遊び心を駆り立てる
公式サイト:enlightenment.org
似たようなデスクトップ環境が並ぶ中で異色の存在とも言えるのがEnlightenmentだと思います。サイバーテイストな無機質感と近未来的なエフェクトはスポーツカーのコックピットを連想させます。

KDEやGNOME等の有名なデスクトップ環境との大きな違いは万人に受け入れられることを狙っていない点ではないでしょうか?大衆車ではなくスポーツカーでいたい。そんな開発者たちの心意気を感じるデスクトップ環境です。

Enlightenmentは標準のデスクトップとしての採用は少ないですが、Arch LinuxやGnetoo Linuxで比較的簡単に導入できると思います。
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Deepin Desktop Environment(DDE)

デザインと機能の融合
公式サイト:deepin.org
DDEはDebianベースのLinuxディストリビューションDeepin用に開発されたデスクトップ環境です。比較的登場が新しいこともあり最近のM先進的な機能やデザインが盛り込まれています。

GUIインターフェースにはQtが用いられておりKDE同様に美しいデスクトップ環境を演出しています。KDEがWindowsよりなデザインなのに対して、DDEはどちらかというとMacOSやGNOMEよりのデザインのような印象を受けます。

DDEはArch Linuxの公式リポジトリからパッケージが配布されている他、Antergosでもインストール時に選択することができますので、是非試してみて下さい。

最後に

今回は総合デスクトップ環境ということでawesomeやi3のようなウィンドウマネージャーは候補から外しました。プログラミング用途などの場合はタイル型ウィンドウマネージャなども使いやすく快適なので、いろいろ試していただければと思います。デスクトップ環境を変えてみると同じディストリビューションでも雰囲気が大きく変わり新たな気分で作業が出来ますよ。

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