Fedora 22リリース!パッケージマネージャーは「DNF」に

こんにちは。今回のテーマは『Fedora 22リリース!パッケージマネージャーは「DNF」に』です。2015年5月26日にFedora 22がリリースされました。Fedoraは最新の技術を取り込むことでも有名なディストリビューションですが、今回のリリースでも新たな技術が導入されました。


Fedora.next体制における2回目のリリース

2014年12月にリリースされたFedora 21から約半年ぶりのリリースとなりました。リリースの詳細は公式アナウンスで見ることが出来ます。ワークスペース、サーバー、クラウドのスタイルでリリースするFedora.next体制がスタートしてから2回めのリリースとなります。RPM,Systemd,Anacondaをシステムの基盤とする従来のスタイルを踏襲し、カーネルは4.0ベースとなっています。
(画面はワークステーションのGNOME画面)
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パッケージマネージャーはYumからDNFへ

今回のリリースでWorkstation,Server,Cloudに共通する一番大きな変化というのはパッケージマネージャーがYumからDNFに変わったことだと思います。RedHat系で長らく親しまれたYumはデッドプロジェクトとなり、今後はDNFに置き換えられます。

操作感はYumと大きく変わらず

コマンドの体系は基本的にYumと大きく変わらず、違和感なくDNFに移行できると思います。DNFとYumのコマンドの比較に関してはコチラをご覧ください。また、man dnfやdnf –helpのコマンドでも調べることが出来ます。

なぜDNFなのか?

ここで素朴な疑問が湧きます。なぜYumからDNFに変更されたのでしょうか?詳細はDNF公式ブログ(英語)で触れられていますので参照下さい。要はYumはドキュメントされていなかったり、依存性解決アルゴリズムが壊れていたり、内部関数のリファクタリングが出来ないなどの問題からメンテナンスしていくのが困難な状態であり、Python2で作られているため将来性が不透明ということです。それらの反省を踏まえDNFは外部提供のAPIは全てドキュメント化し、Python2でも3でも動作するパッケージマネージャーを目指しています。

尚、Fedora 22においてはyumコマンドはDNFを呼び出します。従来のyumコマンドはyum-deprecatedにリネームされています。

個人的な意見ですが、DNFという名前はもう少し考慮する余地があったのではないかと思います。DNFはスポーツでは「途中棄権」を意味する言葉ですが、パッケージマネージャーにつけるにはイマイチなネーミングかなと思っています。FedoraプロジェクトのWikiではDNFはDandified yumの略語 (DNF stands for Dandified yum.)と書かれていますが、Dandified yumでDNFと言われてもちょっと苦しいかなという気がしています。

ログイン画面はWyalandで起動

GUI関係で今回注目すべき変更はログイン画面(GDM)の起動がWaylandで起動するようになったことです。Fedora 21でもGDMからWaylandセッションは可能でしたがGDM自体はXウィンドウシステムで起動していました。Fedora 22では標準でWaylandで起動するようになっています。Fedoraは将来的にXウィンドウシステムをWaylandに置き換えること目指しており、今回はその方向性を示していると思います。

尚、NVIDIAドライバを使用している等の理由でWaylandが起動出来ない場合は自動的にX.OrgサーバーでGDMが起動するのでご安心を。

Fedora 22のWorkstationの標準デスクトップ環境は従来通りGNOMEです。GNOME3.x系に対する操作感は賛否両論あると思いますが、個人的には操作感は向上していると思います。GNOMEをWayland上で動かす場合にはログイン画面でWaylandセッションを選んで下さい。
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最後に

Fedora 22は目に見える部分で大きな変化があったリリースだと思います。まだ開発途上のWaylandを導入してきたり、パッケージ管理システムを新規にしてしまう点など実に「実験場」としてのFedoraらしさが出ていると思います。これからもFedoraらしい意欲的な挑戦を見せてほしいと思います。

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